
8月17日で大吉が一歳になる。仔犬はすぐに大きくなるというが、本当にあっという間だった。とはいえ、体重12、3キロなので全然大きくはないが。でも恐らくここらで落ち着くのではないだろうか。当初の白熊から、手足だけ伸びた気持ち悪い時期を経て、こうなった。これほどしっぽがもふもふになるとは思わなかった。左右の耳の垂れ方が違うのは、このままなんだろうか。

それにしても驚かされるのは、大吉はあまり手がかからないということ。たしかにやんちゃ盛りだが、なんというかわきまえている。散歩のときも、リードをぐいぐい引っ張ったりしない。留守番もそれなりにできる。たまに帰ったら雑誌とかティッシュが散乱していることはあるが、家具類、その他「それはやめて」というものには手をつけない。これには内心感心している。

なぜなら、かつて幼い頃の富士丸はリードは引っ張りまくりだった。それはもう「犬ぞりか」と思うほどに。留守番中もトイレシートにはじまり、リモコンや備え付けの靴箱(賃貸なのに)にいたるまで、あらゆるものを全力で破壊してくれた。それらは何をしても治らなかったが、3歳になった頃から自然に治まったので、犬というのはそういうもんだと覚悟していたのに。

あの人が馬鹿で、大吉は賢い、ということなのだろうか。いや、違う。たぶん、飼い主が変わったのだ。あの頃、俺は若かった。つまらないことにこだわって、小さなことにも腹を立てていた。そのくせ自己主張だけは強く、大人たちが嫌いで、校舎の窓ガラスを割り、盗んだバイクで走り出した。そんなことはしていないが、なんというか、全体的にガツガツしていた。女の子にも下心ありありだった。

恐らくそういうことなのだろう。犬は飼い主を見て育つ。昔はそんなだったから、いくら犬を叱っても説得力がなかったのだ。でも今は違う。たいていのことはどうだっていいし、細かいことにもこだわらない。自己主張もほとんどなく、編集者から直しの指摘があっても「じゃ、それでお願いします」とすぐに折れる。女性にもガツガツしない。下心はあるが、隠すようにしている。ようは、むっつりスケベの無気力親父になったということなのだ。違う。なんの話だっけ。

とりあえず、もうすぐ大吉が一歳になるという話でした。
<お知らせ>
「明日もいっしょにおきようね」
読み聞かせ&サイン会が近づいてきました。
8/12(日)
『紀伊國屋書店新宿南店』7Fサザンシアターロビー
開場13:30 開演14:00
入場無料、事前予約は不要です。
先着順にご入場いただくことになります。
(※サインは当日絵本をお買い上げいただいた方、または以前に紀伊国屋でご購入いただた方が対象となります)
お問い合わせ先:TEL03-5361-3312(紀伊國屋書店新宿南店2F児童書売り場)
お盆ですが、時間のある人はぜひおこしください。
笑顔で待ってますので。
<呼びかけ・その後>
『犬と猫と人間と』の飯田基晴監督が「犬と猫と人間と2」の制作費の寄付をつのっています。詳細は
『コチラ』。エンドクレジットに一緒に名前を連ねてみませんか。
(その後)現在、目標金額の半分くらいまでいってるそうです。
『「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」ご寄付について』もう一息。