水曜日は我が家で飲み会だった。丸ちゃん大好きNさん、編集者Tさん(女性)、同じく編集者Yさん(女性)というかつての「富士丸探検隊」のメンバーがやってきた。このメンバーで飲むときにうっかりリクエストなどを訊くと、インドネシア料理とかパエリアとか
『わけのわからないこと』になるので、独断で蛤やタラ、鶏肉をふんだんに入れた寄せ鍋を用意しておいた。
ちなみにおっさん、年中鍋をしているが決して鍋奉行ではない。蛤の砂抜きをしたり、タラを霜降りにしたり、といった下準備はしておくが、あとは勝手にやってくれというスタンスだ。具材を入れる順番だって、どうだっていい。おのおのが好きにすればいいと思っている。ところが、TさんとYさんは、何もしようとしない。好きなもん入れて好きに食べて、と言っているにもかかわらず、黙って箸休めのキュウリの浅漬けなどをつまんでいる。
「なんで食べないの?」と訊いてみると「取り分けてくれると思って」と言う。お姫様か、と放置するも、一向に鍋に手を付けない女子ふたり。蛤がぱかっと開く。それでも何もしない。今が食べ頃なのに。そのうち根負けして「あぁもう!」と取り分けてしまう。すると「わーい」と喜んで食べる。そして一度やったが最後、その後もずっと鍋奉行的な役割をさせられるはめになる。それなのに「人として何かが欠落している」とか「優しさが足りない」といったことをさんざん言われるのだった。
ちなみにこの面子、全員がドSで末っ子、ということが判明。その中においては、おっさんは一番良識のある大人ということなのだろうか。いつもこんな役割になってしまう。そういえば、探検隊のときも全員が少しでも楽をしようとした結果、取材に行った帰りに「締め切りは明日で」とか「800枚の写真からセレクトしといてくださいね」とか、一番辛い思いをさせられていたことを思い出した。その話をするとみんなは「そうでしたっけ?」ととぼけつつ、「でも、丸ちゃんが楽しそうならそれで良かったから」と答えるのだった。

そして気がつけばなぜか全員の器に雑炊を取り分ける係になっているのだった。そんなみんなのおみやげは花と梨。ありがとう。