• 最後のチケット

    昨日、何気なく財布の中を見ると近所のレンタルビデオショップの割引チケットを発見した。それは十枚綴りくらいになっていて、一枚につきDVDのレンタル料金が100円割引きになるというなかなかいかした券だった。しかしよく見ると有効期限が2011年1月31日となっていた。これはいかんと思った瞬間、家を飛び出していた。我ながら凄い行動力だと思った。

    それはこの機会を逃してはならないという強い気持ちからだった。このままチケットを使わずにいたらきっと後悔するに違いなかった。そしてそれは、あのとき去りゆく彼女を追いかけて最後に謝る勇気がもしあったなら、というこれまでの苦い経験からも学んだことだった。とりあえず、残されたチケットはすべて使いきるべきだと思いながら走った。

    しかしいざレンタルショップへ入ってみても、観たい映画が何ひとつなかった。昔から映画をよく観る時期と、あんまり観ない時期とが周期的に訪れるが、今はまさにその観たいと思わない底の時期だった。ひと通り各コーナーを見て回るが、やはり何も借りる気になれず、すごすごと店を後にする。

    それは最後に呼び止めたはいいけど、何を言っていいのかわからず結局終わってしまった恋に似ていた。切ない気持ちで帰宅すると、割引チケットを屑籠に放り込んだ。ふと見るとパソコンの画面には途中までやった仕事がそのまま映し出されていた。それを見て、本日の行動力の源が単なる現実逃避だったことに気がついたのだった。

    110201-1.jpg

    というようなくだらない文章を書いている今もまた逃避行中なのかもしれない。




    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    \  SNSでみんなに教えよう! /
    \  Another Daysの最新記事が届くよ! /

    あわせて読みたい

スポンサードリンク

カレンダー

01 | 2011/02 | 03
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 - - - - -

プロフィール

穴澤 賢 (あなざわまさる)

1971年大阪生まれ。フリーライター(鎌倉市腰越在住)。犬と猫と音楽と酒が好き。自称釣り人。2015年11月、長年の愛犬との暮らしで欲しいと感じたものを作るブランド「デロリアンズ」を立ち上げる。

anazawa_masaru[at]yahoo.co.jp([at]→@)

大吉(だいきち)

2011年(8/17)茨城生まれ。
里親募集サイトからもらわれる。何がまざっているかわからないくらいの雑種犬。左右の耳の立ち方が違うのが特徴。若干ビビリ。

福助(ふくすけ)

2014年(1/11)生まれ(推定)。 センターから保護団体を経て我が家へ。収容される前の経歴は不明。本棚から器用に本(ハードカバー)を抜き出して粉砕するのが趣味。

関連サイト

いつでも里親募集中! 富士丸な日々

月別アーカイブ