先日飲み会で酔っ払いついでにその場にいた女友達に「iPhoneにしなよ」としつこいくらいに勧めてみた。すると「なんで?」と聞かれたので「一緒にiPhoneにして家族割引にしよう。どうよ、このプロポーズ的な感じ」と言ったら「嘘くさぁ」と引かれた(実話)。
それはさておき、この間ふと見るとジーパンの膝のところが少し破けていた。それはお洒落で故意に破いたのではなく、自然劣化による破けだった。そんな薄汚れたジーパンをはきながら、ただ寝ぐせを隠すためだけに被ったニット帽に適当な上着を羽織って駅前に出かけた。信号待ちで一匹の犬が近寄ってきたので軽く手を差し伸べていると、その飼い主さんから「あの、穴澤さんですか?」と言われてどきっとする。

ひとりで歩いているときに知らない人から声をかけられるのは、ほとんどそれがはじめてだった。フォーマルにビシッとスーツで決めているときではなく、なぜよりによってこんな小汚い格好をしているときにと悔やまれた。だから目を合わせることもできずに俯き加減で「あ、はい」と小声で答えるとよほど挙動不審に見えたのかその人は「頑張ってください」とだけ言い残し、どこかへ去って行った。この場を借りてお詫びします。ごめんなさい。

無愛想だったのは、ジーパンが破けていたからなんです。
<お礼>
おかげさまで、
『またね、富士丸』がさらに増刷されることになり、三刷が決まったそうです。たくさんの人が自身のブログで感想を書いてくれたり人に勧めたりしてくれているおかげだと思います。なんというか、本当にどうもありがとうございます。