• 無念

    先日、焼き鳥屋で隣の席にいた連中の中に、頭の悪そうな奴がいた。その男は、肩の傷跡を見せびらかしながら、歌舞伎町で中国人マフィア風の男たち5人に囲まれて鉄パイプで右の鎖骨を折られながらも、左腕一本で叩きのめしたんだと大ボラを吹いていた。あんな奴にはなりたくないな、と思った。

    関わり合いになるのはよそうと静かに飲んでいると、その男が今度はしきりに「悔しい、悔しい」と漏らしている。何がそんなに悔しいのか聞き耳を立ててみると、どうやらこの前飲んだ帰りにタクシーに乗ったところまでは覚えているが、気がついたら自宅のベッドの1メートル手前で倒れていたらしい。「うぅ、あと1メートルだったのに……」と男は悲しい目をしていた。まったく同情する気になれなかった。たぶん今夜も似たような結果になるだろうと思われた。

    さらに私は偶然目にしてしまった、その男のメールの文面を。恐らく誰かから「今、何してます?」的なメールが届いたのだろう。男はおもむろに携帯を手に取ると「のんだくてます」と打って送信ボタンを押したのだ。私は愕然とした。メールでも呂律が回ってない。たぶん「飲んだくれてます」と書きたかったのだろう。しかもひらがな。私は恐ろしくなった。こんな奴には絶対なりたくないと思った。

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    実話です。











    (お昼前に)
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プロフィール

穴澤 賢 (あなざわまさる)

1971年大阪生まれ。フリーライター(鎌倉市腰越在住)。犬と猫と音楽と酒が好き。自称釣り人。2015年11月、長年の愛犬との暮らしで欲しいと感じたものを作るブランド「デロリアンズ」を立ち上げる。

anazawa_masaru[at]yahoo.co.jp([at]→@)

大吉(だいきち)

2011年(8/17)茨城生まれ。
里親募集サイトからもらわれる。何がまざっているかわからないくらいの雑種犬。左右の耳の立ち方が違うのが特徴。若干ビビリ。

福助(ふくすけ)

2014年(1/11)生まれ(推定)。 センターから保護団体を経て我が家へ。収容される前の経歴は不明。本棚から器用に本(ハードカバー)を抜き出して粉砕するのが趣味。

ねこ 2020年2月号 Vol.113

「犬飼いから見たねこの不思議」連載中

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(コメント) マドの飼い主、片野ゆかさんの本。ためになりました。

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(集英社)


(コメント) 馳星周さん初の犬小説。僭越ながら帯コメントを書かせていただきました。

「寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち」 (飛鳥新社ポピュラーサイエンス)

(コメント) この内容でこの価格で出すところがスゴイ!

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